気がつけばもう9月。花火大会や夏祭りで大活躍だった浴衣も、さすがにもう使う予定がなくなりました。ハンガーに掛けっぱなしも何なので、きちんと畳んで仕舞うことに。
ただ、あちこちのサイトによれば、クリーニング店から戻ってきたままの糊付けの状態で長期保管するのは好ましくないとのこと。まず手洗いして汚れと糊を良く落としてから自然乾燥。畳んだ後、防虫剤・防カビ剤・乾燥剤と一緒に衣装ケースに…というのが浴衣の正しいお手入れ方法のようです。
うーん…でも、僕は防虫剤・防カビ剤ってあんまり好きじゃありません。独特の臭いもそうですし、言ってみれば「毒」そのものな訳ですから。それに、折角クリーニングに出したこともあり、手洗いも極力避けたいところ。
そこで今回は、人体に完全無害な「脱酸素保存」を試みることにしました。
「脱酸素保存」って何かというと、保存したい物を密閉された容器の中に入れた後、その中の酸素(空気ではない)を完全に除去。虫・カビ・雑菌の呼吸を止め、生命活動を断つという保存方法です。無農薬・無添加物・薬品を一切使わない安全性から、ビニールパッケージされた食品なんかにはよく使われています。これならきっと、糊付けのままでも平気でしょう。
さて、この方法を試すにあたって必要な脱酸素剤ですが、仕組みは使い捨てカイロと一緒。鉄の酸化反応で空気中の酸素を吸収するといったものです。最近はネット通販で買うことも出来るようですが、そこまで本格的にやるつもりも無いので、今回は使い捨てカイロを使うことにします。
用意したものは以下の通り。
- 布団圧縮袋 … 密封を考えるならこれが一番。100円ショップで売っているやつで十分でしょう。
- 紙箱 … シワを最小限に抑えるため、紙箱に入れてから布団圧縮袋の空気を抜くことにします。今回は買ったときの元箱があるのでそれを使用。
- 使い捨てカイロ … 脱酸素剤の代わりです。今回の箱の大きさなら、通常サイズのカイロが1個あれば十分足りるはず(一応計算済み)。真夏でも薬局やホームセンターに行けば売っています。
手順としては、箱の中に浴衣一式を仕舞って…
袋から取り出したカイロと箱を布団圧縮袋に入れ、掃除機で空気を出来るだけ抜いて、チャックを完全に閉めて完了。
…「手順」と言うほどのこともありませんね。簡単です。
カイロが説明書きの保温時間に達しないうちに冷め、箱が最初よりつぶれ気味になるとか、圧縮袋の隙間が減るとかすれば、密封&脱酸素に成功しているはず…よしよし、小一時間ほどで、そんな感じになりました。
(※空気の20%は酸素なので、密封出来ていれば、容積が少し減る。)
後はこのまま押し入れの中に放り込むだけ。箱の中に仕舞うとき、かなり雑に入れてしまったのが心残りですが…まあアイロンをかければ大丈夫でしょう。来年再び開けたときにでも、結果を報告したいと思います。
あ、言い忘れましたが、カイロを入れる前に、くれぐれも「振らない」ように気をつけてください。カイロの中に余計な酸素が入ってしまうので勿体ないです。
調べてみたところ、使い捨てカイロを使った脱酸素保存というのは意外とポピュラーなようですね。ちょっと検索しただけでも、お餅やお米の保存に使っている人のサイトが出てきました。
革製品とかカメラとかの長期保管にも使えそうですし、殺虫剤を使わない布団のダニ退治とかが出来そうな気もするので、今後もいろいろ試してみるつもりです。