バイク乗りにとって頭の痛い出来事NO.1といえば、やっぱり転倒によるパーツの破損。金属パーツは基本的に交換なので諦めもつきますが、悩ましいのがカウルの類。なんとか補修したくなるのだけど、ABS樹脂のカウルはそう簡単にはくっついてくれません。
専用の接着剤を使っても、裏からFRPを当てても、ちょっと力をかけようものならすぐにバキバキ。半田ゴテで溶接するのが良いと聞いて試してみた事もありますが、素人の作業だと仕上がりがどうにも。
そんなわけで、無駄に色々あがいたあげく、結局最後はキレイなカウルを探すというのがこれまでの僕でした。まあ、普通はそうだと思います。
前置きはこんなところで。
この間、整備士の友人とお茶をしていたとき、話の流れで「そーいやABSの補修って何を使うのが一番良いの?」と質問したところ、「アセトンを使えば簡単らしいよ」と言われまして。
え?アセトン?
FRPのハケ洗いで使うアセトン?
割れた面にちょっとたらすだけで、断面がドロドロに溶けて、溶接したのと同じ位の強度で接着できるんだとか。なんでそんな簡単な方法がレストア系のガイドブックやHOWTOサイトで紹介されていないんだ?
友人も実際に試した事はないそうなので、一応Web上の情報をあたってみたところ、こちらのCBR600でレースをやっていたという方のブログに詳しい説明がありました。
サーキット走行のものすごい風圧に問題なく耐えるという話からも大いに期待できます。仲間の家にカウルの割れたJOGがあるので、早速試してみることに。
まずはホームセンターでアセトンを購入・・・と思いきや、家に残りがあったのでそれを使います。買っても1リットルで1500円位。通販なら送料が勿体無いほどの金額・小容量でも買えます。
見た感じ、別にそのままでも良さそうなヒビですが…まあ折角なので。
こんな感じで割れた部分に裏からちょろちょろと注ぎ込んで、あとは左右からぎゅっと押さえるだけ。
1分もすると断面が溶けて盛り上がってきます。下の小さいヒビ(未処理)との違いが写真で分かるでしょうか?
まだ柔らかいので裏側をガムテープで固定。30分くらいで程よい硬さになります。1日たてばもうビクともしない感じ。
あとは表側にパテを盛ってペーパーをかけて再塗装すればOK。なんて手軽な!
くそう、レーサーレプリカで転けまくっていた時代に知っていればなぁ。
まあ、実際のところ、僕のような素人には塗装もまた難しい作業なのですが、デカールとかステッカーとかカッティングシートとかで隠せる部分なら、何の苦もなくキレイに直せることでしょう。
これは良いこと教えてもらいました。