在宅ワークの悩みどころ

カテゴリー:SOHO, 仕事 投稿日:

会社員を辞めてフリーランスになってから4年とちょっと。Web制作業者の立ち上げに参加したことなどもありましたが、その期間含めて、ずっと自宅を事務所代わりに一人で仕事をしています。

自宅で、しかも一人で仕事をしていると言うと、大半の人が羨ましがります。確かに、通勤時間が無い分だけ無駄な時間は少ないと言えますし、嫌な上司や憎たらしい同僚・部下と一日中一緒にいることもありません。人によっては、服装や髪型にいちいち気を遣わなくて済むことも魅力でしょう。僕も最初のうちはこの「自由」を天国のように感じていました。

でも、それはほんのつかの間のお話。仕事を続けていくうちに、勤めていた頃には思いもよらなかった問題が次々と生じてきます。例えば以下のことは、僕のようなSOHOに限らず「在宅」で働く大半の人が、一年以内に直面する問題のようです。

プライベート感が失われる
「憩いの場」であるはずの自宅が「職場」になってしまうことで、一日中仕事に拘束されている感覚がつきまといます。
家族との不和が生じる
友人達から聞く限り、家族と一緒に暮らしている人の場合、どうしても家族との衝突が増えてしまうようです。家族がご近所の目を気にすることもよくあるようです。
体力が落ちる
買い物に出るときぐらいしか歩かなくなるため、身体を鍛える習慣がない人は、通勤していたころに比べて体力がみるみる落ちていきます。また、姿勢の悪い人はどんどん悪くなりますし、食べるのが好きな人は一日中何か食べてしまいますし、タバコを吸う人は本数が一気に増えます。
作業効率が落ちる
仕事の話をできる人、中でも、同じ作業を分担している人がすぐ側にいないことは、作業効率の面でかなりのマイナスです。また、いつでも休憩できる環境にいることから、余程自分を律しておかないと、人と一緒に働いている時よりも、集中力が持続しません(ついつい甘えてテレビを見てしまったり)。
コミュニケーション能力が落ちる
直接会って話す機会が減ることで、どうしてもコミュニケーション能力が落ちます。特に一人暮らしの場合は「引きこもり」に近い状態になるので深刻です。打ち合わせに支障をきたすレベルまで悪化する恐れがあり、取り戻すのも容易ではありません。
余計な出費が増える
以上のような問題を回避するには、住環境を良くしたり、習い事をしたり、各種寄り合いに積極的に参加するなど、色々な対策が必要になりますが、それには当然お金がかかります。また、単純に考えても、家にいる時間が長くなる分、光熱費・通信費は以前よりずっと膨らみます。

さっと思いつくだけでも、これぐらい。あ、あと、"無性に寂しくなるときがある"っていうのもありますね。

まあ、そんなこんなで。週の半分ぐらいなら家で仕事をするのも良いかも知れませんが、在宅をずっと続けるというのは結構しんどいです。事実、僕の周囲には、この現実に耐えられず、早々にやめてしまった人が何人かいます。

  • 数年分の生活費と当面の仕事を確保するなど万全の準備で独立したのに、一ヶ月も経たないうちに音を上げて再就職してしまったSE
  • 家庭の事情もあって、勤めていた会社が在宅の環境を整えてくれたものの、あまりの効率の悪さに在宅を断念した設計技師
  • とにかく"家"で無ければ良いと、わざわざレンタルオフィスを借りて、そこに"通勤"して仕事しているWeb起業家

その他にも、一見上手くやっているようで実は鬱病に罹っている人なんかは沢山います。僕も慣れるまでにはいろんなことがありました。

独立起業する人は最初のうちはSOHOでも仕方がないですし、どうしても家で働かなければならないような事情を抱えている人もいるわけですが、それ以外の人は普通に通勤して働く方が良いというのが今のところの僕の感想です。特に、社交的でない・人付き合いが苦手な人ほど先のような問題につまづきやすいので、本当に「在宅」でなければならないのか、十分に検討してからはじめることをお勧めします。

もっとも、僕自身、事務所を構えたりして人と一緒に働けるのか、あるいは、いっそフリーを止めてどこかに勤められるのかというと、今更それも面倒なことだったりします。悪いことばかり書きましたが、家で仕事をすることの"うまみ"も沢山あるわけで。それに慣れきってしまった今となっては、先々どうやって働いていくべきか、良い答えをなかなか出せずに悩んでしまうこともしばしば。

まあ、何とかきちんと生活できているから、別にこのままでも良いのですけどね。こんなエントリーを上げてしまうあたり、ぼちぼちSOHOにも飽きてきたのかもしれません。



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