アスパムと青森ベイブリッジを望む某ビジネスホテルのレストランにて迎えた東北ツーリング三日目の朝。
青函トンネル博物館を見学した昨日はそのまま青森市内で遅くまで叔父とお酒を楽しみまして、いよいよ本日から本格的な東北ツーリングをスタート。国道4号で十和田→八戸と抜け、途中から接続する国道45号線で三陸の被災地を海沿いに下り仙台に向かいます。途中の宿はまだ取っていないので(ネットでは満室)、もしかしたら今日一日で下道を仙台まで600km位走ることになるかも。
・・・の予定だったのですが、叔父から「折角だし『スカユ温泉』で風呂に入ってから行けばいい。連れて行ってあげるから。」との話で、午前中は叔父の車でもう少しだけ青森観光。八甲田方面に向かいます。
まずは睡蓮沼(すいれんぬま)にて八甲田の山々を一望。非常に雄大な景色でカメラの画角にはとても入りきりません(写真はスマートフォンで3枚撮ったものをパノラマ合成)。
沼の真上にあるのが高田大岳、以後、右から左にかけて、小岳、八甲田大岳、硫黄岳、石倉岳。平日なのに結構人がいて、写生している絵画サークルらしき皆さんもいました。
そしていよいよ『スカユ温泉』なる温泉に・・・
辿り着いて看板を見ると『酸ヶ湯』とあり・・・
ああ!何か旅行関係の案件の資料で読んだことがあるぞ!!語感が横文字っぽいので脳内で結びつかず、割と新しく出来た温浴施設かと思っていたんですが、老舗も老舗。有名な硫黄泉の温泉じゃないですか!
残念ながら中は撮影禁止とのことで、詳しくは施設のホームページ(http://www.sukayu.jp/)や各種クチコミサイトを見ていただくとして、ひとまずここでは青森県公式のYoutube動画(一般利用可能素材)を転載しておきます。
硫黄臭さはそれほど強くないのですが、とにかくまあ泉質が素晴らしい!
浸かった瞬間全身で感じる強酸性。ちょっとなめてみたところ、砂糖を入れて水で割ったら美味しいんじゃないかと思うほど、レモン水のような透き通った酸味。
総木造の「ヒバ千人風呂」の湯殿それ自体もたいへん風情があります。
それでいて立ち寄り入浴料は銭湯価格の600円。くう、なんというお得感!
ちなみに「ヒバ千人風呂」は混浴ですが、女性専用の時間もありますし、動画の通り、お湯は完全に白濁していますので、裸が見えてしまう心配はあまりしなくても良いと思います。
※別料金ですが「玉ノ湯」という男女別の小浴場もあります。
青森市内から車で大体1時間程度。パンフレットをもらってみたところ青森駅から1日2便バスが出ているとのことで、車が無くてもアクセスは可能。
宿泊する場合を考えても、一番安い部屋で素泊まり5000円弱~、二食付いても8000円程度~と、決して高いわけでもなく。
東京からのアクセスであれば、もしかしたら高級宿が多い群馬の草津温泉より、電車代を入れても安く楽しめる本格酸性硫黄泉かもしれません。
調べてみたところ、酸ヶ湯に新幹線で行く宿泊ツアーが3万円程度(但し2名以上)。一方、群馬県の草津温泉での同様プランがやはり3万円程度。さすがに酸ヶ湯の方が安いということはないみたいですが、同じような金額で楽しめる模様。温泉好きの方、いかがでしょう?僕はいずれ2,3泊、せめて1泊はしにいこうと思います。決定です。
・・・しかし青森への新幹線往復+宿泊費が3万円って・・・VMAXで千葉-青森を往復する高速代・ガソリン代より、ずっと安いんですけど。つくづくビッグバイクというものが、無駄に贅沢な乗り物だと感じてしまう話であります。ツアラーならまだしも、VMAXは実質1人乗りですし。
さて、酸ヶ湯を出たあとは萱野高原の「かやの茶屋」にて一服。
「一杯飲めば三年長生き、二杯飲めば六年長生き、三杯飲めば死ぬまで生きる」という秀逸なフレーズで有名な長生きのお茶(麦茶)を無料で飲ませて頂きます。その代わりおみやげ用に煮出す前のものを何袋か購入。
そのまま近くで昼食後市内へ戻り、叔父達とお別れをして、昼過ぎにいよいよ三陸に向けてVMAXを発進!以後の話はまた次の日記にて。
なお、今回の日記の各ポイントを地図に落としますと以下のようになります。Aが「睡蓮沼」。Bが「酸ヶ湯」。Cが「かやの茶屋」です。
今回20年ぶりに青森に行ったのですが、親戚がいることを差し引いても、どこにいても本当に落ち着くことには、ちょっとびっくり。
考えてみれば当然で、実は僕の出生地は青森市。実家が青森にある母が里帰りして僕を産みまして、その関係で生後一ヶ月間は青森にいました。
また、父の仕事の関係で幼稚園~小5の夏まで函館に住んでいたこともあり、対岸の青森には頻繁に遊びに来ていたので、故郷が青森(および函館)と言って過言ではないだけの思い出があります。
うちは父が転勤族だったこともあり、30年住んでいる千葉ですら「出身地」と言われるとしっくりこない根無し草なのですが、「出生地が青森」というのは間違いないのだなと強く感じた二日間でありました。
そうそう、酸ヶ湯自体はあまり硫黄臭くなかったのですが、体はもとより、着衣やヘルメットまで、後で洗濯するまでずっと火薬臭かったです。
たしか「ヒバ千人風呂」の浴室では真水のお湯は出なかったと思うのですが、水道水が出る蛇口はあったと思うので、公共交通機関で行かれる方は最後に真水の濡れタオルで体を良く拭いてから出た方が良いかもしれません。
まあ硫黄泉ってそんなものかもしれませんし、水で拭いてしまうと温泉の効能が落ちてしまうのかもしれませんけど、たぶん臭いに鈍感な人でも気になる強さだと思います。どうぞご参考の程。